金曜日に買ってきたCDの当たり、2枚目。
BGM:「Breakfast on the morning tram / Stacey Kent」(2007, Blue Note, 5099950161126)
しっとり穏やか系の、英国の白人女性ジャズヴォーカル。
Stacey Kentといえば、日本ではSwingJournal誌で2002年頃に「dreamsville」が絶賛されて以降有名になったんじゃないかと思う*1が、BLUE NOTEに移籍していたらしい。これはその移籍一作目とのこと。
あいかわらず、彼女の音盤はなんとも佇まいがいいのだ。ぎりぎりのところを狙わない自然な発声。上品な色気と言えばいいのだろうか。アクが強く仁王立ちしてるような女性ヴォーカルに疲れた耳には、実にやさしく響く。どこか鈴木重子さんを想起させる。
全12トラックの内オリジナルとカヴァーが半々ぐらいで、それぞれにステイシー・ケント節が存分に発揮されていている。なお、サッチモ晩年の持ち歌なだけに”枯れた老人が「自然は愛しいな、人々よ幸せにな」と語りかける”イメージが定着しがちな"What a wonderful world"(Tr.12)が、女性的であたたかな解釈で歌われているのが結構気に入っている。
音質は、以前のCANDIDでの録音は少し中域がもっさりしていたけれど、本作はメジャーレーベルのお陰なのか水準以上。BLUE NOTEにありがちなナローレンジさは今は昔、心地よいワイドレンジで、ハラハラとした繊細さがよく出ている。的確なマスタリングだ。
ピアノ・ドラムス・ギター・ベース、それぞれ綺麗に録れている。
*1:「dreamsville」は結構オーディオのデモソースに使われてますね。実際、先日のオーディオセッションでTAOCが絶妙のデモを聴かせてたディスクが「dreamsville」でした。LC200Mで聴いたアレは実に良かった・・・