午前中。
今にも雨になりそな曇り。どこも行きたくないなあ。
いや、千里の道もなんとやら。9時半過ぎ千里山へ向かう。
なんか、すしざんまいがいる。
先に、特別展「吟遊詩人の世界」を見る。これは面白い。
ご参考:みんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」 – 国立民族学博物館
吟遊詩人という「日常に存在する非日常」のようなマイノリティたちにスポットを当てるあたり、いい切り口すぎる。エスノロジーのエッジのところに堂々斬り込んでいくみんぱくの姿勢、いいね!
映像がそれぞれあるから余計アツい。
しかも今回は撮影可能な展示が多いぞ!
1Fは今回展示の軸になる8テーマの展示。
エチオピア高原・タール砂漠・ベンガル・ネパール・モンゴル高原・マリ、そして日本代表は瞽女(ごぜ)と現代ラッパー。
各コーナーでは、それぞれの地域の吟遊詩人の歴史とスタイル、立ち位置などが語られる。
瞽女の展示はやはりアツい!
あと、芸能に韻を踏む文化的土壌が濃ゆくて、現代のラップ人気に進化したというモンゴルの紹介も燃える。
2Fに行くとディープダイブ。
更にそれぞれのテーマを深堀りし、関連する研究者がその背景にどう考えていたのかが語られる。これも興味深く見た。
そして今回の特別展示のアイコンともなっているアフリカンな吟遊詩人の男性が、エチオピア・アジスアベバの「ソロモン」氏であることを、順路最後にある映像資料コーナーで知った。いいビデオだった。もし行く機会がある方は是非ご覧になるとよい。
昼前。
ひと通り予習できた。
ここで本館に入場。常設展示・・・は見ないでまっすぐ本館企画展示場へ。
企画展「客家と日本――華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」も観る。
ご参考:みんぱく創設50周年記念企画展「客家と日本――華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」 – 国立民族学博物館
今日来たかったもう一つの理由がこれ。
客家(はっか)が日本にどう影響しているのか、交流しフュージョンする文物史を学びたかった。
台湾が日本領だったこともあり、客家の方々は結構大阪に根付いているのは認識してた。それも、日本におだやかに順応してきた善良な人々であったことも、知識としては知っていた。
これまたメチャクチャ面白かった。
客家の家って、このイメージよね。
客家と認識していない人もいた。
東通商店街のあたりってもともとそうだったのかぁ。
あ、この楯が置かれた料理屋さん行きつけだったわ。客家料理のビデオも流れており、レシピも配布されてましたぜ。
そういえばKUMANO TREKと称して熊野古道をあちこち歩いていたころ、新宮駅のそばでやけに台湾人たちを多数載せた観光バスを見かけたのを記憶している。その理由をようやく今になって知ったよ。徐福公園ってそういえばあったわ。
みんぱくゼミナール 、テーマは川瀬慈先生による「世界を異化する歌と語り」。
世界を異化する歌と語り――エチオピアの吟遊詩人 – 国立民族学博物館
13時半開始。ご講演は、「吟遊詩人の世界」実行委員長である川瀬慈先生。
世俗的な歌「ゼファン」を詠うエチオピアの吟遊詩人「アズマリ」を学ぶ。
学んだうえで、さっきのソロモンくんの映像をもう一度観ることができ、理解が深まった。
ロケはアズマリのパフォーマンスを聴く酒場で、オーディエンスは集うお客さんたちだったのか。
アズマリはまず「蝋と金」と称されるダブルミーニングな詩を吟じ、続いて流行歌で場を盛り上げ、最後にオーディエンスと、詩で即興のコールアンドレスポンスしちゃうのだ。オーディエンス、アズマリ一座にめっちゃ乗せられてていい空間だ。その詩のやり取りには、色恋もあれば、政治や国際問題もある。歌で笑い飛ばすあたり、漫談的でもある。
www.youtube.com
10分あたりからの即興詩コールアンドレスポンス、燃える!
〔かたのPICK UP〕エチオピアと交野市がつながる音楽コンサート | マイ広報紙
エチオピアの芸能集団ファンディカのライブが行われるとのPRもあったり。
行きてぇ。
午後。
特別展に再入場し復習。そして1530過ぎにみんぱく発。
たっぷり文化しました。価値ありすぎる、880円のアドミッションフィーだと思います。
「吟遊詩人」特別展、開催中にほかのイベントにからめて1-2回行くつもりです。
また近いうちに。
帰路。
あちこち寄り道しつつおうちへ。
18時帰着。雨には遭わずに済んだ。