はじめに。
奈良の多くの官道は、時の政権の威信にかけてなのかどうかわからないが、南北東西に割と直線的に敷かれたらしい。やはり8cの盛時は、平城京の門へと通ずることを想定してのものだろう。
一方、「日本最古の官道」と称される竹内街道(たけのうち-)は斜めにビヨンと伸びている。以前から気になっていたのだが、歩行距離がちょっと短いという理由でチョイスから外してた。しかし、二上山(にじょうざんと濁る;ふたかみやまとも)歩きとセットなら悪くないかもと思いついた。
ということで、奈良県葛城市から大阪府太子町へななめ(北西)に県境を横断する、低山登りからの旧街道歩き、始まります。
二上神社口駅を下車。
曇り。何しろまだ6時半だ。今日はたっぷり歩けるかもな。
駅を降りると、わかりやすい様に二上山がずどーんと立ちはだかっている。なんというか、ギター一本で山に挑んじゃう熱気バサラの絵が浮かぶ。
山を動かしてやろうなどとは微塵も考えない僕は、彼岸花咲く住宅地を、ただ黙して山へと向かう。
二上山歩き。というか普通に軽登山だった。
涼しい曇天。倭文神社をすぎると登山開始。
ツインピークス?
二上山は双峰。雄岳と雌岳の2つのピークがある。
下調べなしで行ったので後で気づいたが、二上山は複数登山ルートがある低山であり、二上神社口側からのコースはちょっときついものだった模様。太子町側から雌岳に登るのがユルいハイキングコースだったらしい。
https://www.town.taishi.osaka.jp/material/files/group/5/odake.pdf
https://www.town.taishi.osaka.jp/material/files/group/5/medake.pdf
雄岳山頂付近に、政争に敗北した逸話が残る「大津皇子」の二上山墓がひっそり存在している。
日本書紀などに愁嘆場が随所に見られ、「悲劇の皇子」などとも称されるようだが、この手のネタは、時の権力者にとって都合の悪くならないストーリーしか書き残されないものであろう。
そして雄岳山頂(標高約520m)。
眺望が全く開けておらず、地味ながら、ここが二上山の最高点だ。
やけに整備されまくってる「馬の背」を越えて・・・
當麻寺(たいまでら)へ向かう。
當麻寺こそが、本日の第一目的地だ(※二上山山頂ではない)。
このあたり屈指の古刹にして名刹。諸説あれど、いずれにしろ7cには既にこの辺りにあったらしい。
境内は、巨大でゴージャスでだだっ広い。どんだけ敷地あるの。圧倒的な経済力を感じる。
美しい本堂。天平っぽい意匠を色濃く残してますね。対称性の美こそは正義だ。
ご参考:當麻寺 中之坊と伽藍堂塔 -奈良県 葛城市-
さ、今日はメインディッシュがもう一つある。向かおう。
(続く)
*1:何でも万葉かよ、等とツッコんではいけない。