駄目社員はむの日記

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「W1JR巻き」のルーツを探る。(1)

W1JR巻きっていつから?

昨今のコモンモード中心な電波障害(インターフェア)対策において、定番となったW1JR巻き。
FT240-43あたりのフェライトトロイダルコアに3Dぐらいのケーブルで巻くのが定番と思われる。コモンモード電流低減にかなり効果のあることで知られる。
#オーディオ界隈でもなぜか使っている人もいる。


そのルーツはいつぐらいなのか文献をあさってみた。

RSGB発行「Amateur Radio Techniques」(G3VA)によると


W1JR (Joe Reisert氏)がHam Radio誌に執筆した"A simple and efficient h.f. broadband balun" (Ham Radio, September 1978, pp 12-15)が原著だという。
Indiana General社のF368-1というフェライトトロイダルコアにRG-141/Uを10T(多分5T+クロスオーバー+5T)巻けば、概ね7-30MHzで使えるとのことだ。


RG-141/Uの同軸(50Ω)は現存しているが、Indiana Generalという会社は聞かないな・・・
もう少し当たってみたい。原著は難しいかなぁ。

とか思ってたら、あっさり原著のファイルが見つかった。

Ham Radio Magazine September 1978

おおまさしく!
・・・ネットの海に感謝して、読むべし。

2023年11月追記。

CQ出版「モービルハム ハンドブック」に、JA1NVB飯島OM*1が高周波インピーダンス変換トランスの製作を紹介していた。

そこに、Indiana General Corporation社 F568-1 Q1材 / Q2材のフェライトトロイダルコアが登場する。
同書は昭和55年初版発行。つまりは、1980年時点ではIndiana General 社のコアは日本で普通に入手出来ていたようだ。


続く(たぶん)

*1:名著「アマチュア八木アンテナ」でおなじみですね。