駄目社員はむの日記

USO800 certified.

こんどは高野山町石道を歩いてみた。

始まるザンスよ。

今日は高野山町石道を歩く。別エントリにあるように、九度山から高野山大門までのルートである。
仏教徒ならざる僕は弘法大師の逸話どうこうとか興味皆無ではあるのだが*1、まあまあ、それはさておき慈尊院がスタートである。




ヨタヨタと歩き出すと、最初はコンクリで舗装された林の中の細道を、しばらく歩かされる。むう退屈だ。
23℃、曇り。雨が降りだしそうな嫌な雲行き。湿度100%なので、涼しさがいまいち享受できない。


あ、なお、日記のカテゴリーはKUMANO TREKにしてある。今回は熊野を歩いたわけではないけれど、町石道は「世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれるわけで、広い心でお許しいただきたい。

私まだ心の準備が(はぁと)


いきなり強烈な一撃をお見舞いされる。結構な角度の過激な登り。これがリアルuphill battleか。
そして当たり前のことに気づく。標高90mから、900mの高野山へ向かうのである。冷静に考えて(考えなくたって)ほぼのぼり通しじゃないか。

その後しばらく緩やかな下り。


森を抜けると、古道マニア好みの杉木立の中にいた。

遅まきながら体が目覚めてきて、無心で歩けるようになってくる。自分のウォーキングスタイルというか、歩く時の体勢・ストックの位置などホームポジションが体に戻ってきた。



部分的にぬかるんでいる場所もある。ちょうど自分が当たっていないというだけで、ちょくちょく雨は降っているのだろう。念のため靴をアルパインクルーザーにしといてよかった。

11時過ぎ、坂の中腹で昼ご飯。


歩き出して、4時間が経っていた。

  • 高カロリーの菓子パンを、トマトジュースベースのどろり濃厚野菜ジュースで流し込む。
    • わざわざ吸収が遅い野菜ジュースを飲むのは、短時間で得られる水分補給も兼ねた「食べた」という実感と、ビタミン・ミネラルの摂取のためだ。なお、チョコチップメロンパンはフォーエバー正義だ。
  • 中年にもなると、「エネルギーが来たぞー!」と全身にいきわたらせるために、食後10分は休憩が必要なのだ。
  • チョコほおばりながら行軍できた10年前とは違うのだよ、10年前とは!

ラストスパート(スパートできてません)。

「大門まで6km」の看板を見て、うれしくなった。

しかし、その6kmは、過激な上り坂が続くのだった。

ちょっと辛いか過酷かという違いで、延々登り。そりゃそうだ、高野山自体の登山なのだから。きっつー。

12時半、大門着。

正しくは、金剛峰寺大門。九度山駅から約22km。ラップタイム5時間半。








そこは金剛峰寺を中心とした、巨大仏教文化テーマパークである。ゆるぎない経済力と強かな継戦能力を感じずにはいられない。



こうやくんがみてる。

下山。

とはいえ、仏教徒ならざる僕にはあまり宗教施設群に興味はない。それに、汗だくのオッサンが博物館に入っていくわけにもいくまい。
早々と後にすることにする。
まだお昼過ぎなのだ。時間に余裕があるし、歩いて下りよう。



女人堂を抜けると、一般車や人が通るのが原則NGなバス専用道路に出る。

しかしその通行規制には例外がある。



京大坂道不動坂(きょうおおさかみち不動坂; 多分「きょうだいさかみち」ではない)を歩くレアな人々限定でセーフなのだ。


ユルい舗装された下り坂を愉しむ。早朝から二十数キロをを歩き、かなり足に疲労があっても、足取りは軽い。
とはいえ、京大阪道を学文路まで歩く元気まではなかった。

極楽橋ゴール!


はい、フルに歩き通しました。極楽橋駅に到着。

余談: 同行二人(どうぎょうににん)、ならぬ、同行十数人。

  • よく整備されているいい道だった。
  • 半日ウォークのための装備チョイスは適切だったと思う。知らない道の場合、安易な軽装は禁物だ。
  • 基本的に町石道の道中、ほぼ誰とも対面ですれ違わなかった。高野山から逆方向に歩いて(下りて)くる人っていないのだろう。町石道を歩くのはしたがって登る一方向。
  • そして、たぶん南海電車九度山駅に停車するたびにしか、同ルートの入山者は供給されない。
    • 従い、同じ電車を下車した限られた面子の間で、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げながら歩くことになる。表向きはホンワカな言葉を交わしつつも、心中穏やかにはなれまい。
    • あっという間に山中に消えていったトレランの方は別格としても、御年配方、健脚すぎワロエナイ。僕は年齢は九度山駅を下車した十数人の中で概ねメディアンなはずなのに、歩く順位はドベから数えた方が早かったぞ。
  • そういえば、トレイルランナーに妙にすれ違った。
    • その一人から伺ったところ、町石道は走りやすいため、定番のトレランコースだという。走りやすい、だと?
  • GarminのハンディGPS高野山のWaypointがなぜ登録されてないのかと自問していたが、前に来たのは、10年以上前のKUMANO TREK小辺路を攻めた時だったことに思い至った。時期的にGPSに登録されているわけがなかったのだ。
  • 柿の無人販売が始まっていた。そろそろ、山の辺の道を柿をかじりながら歩くのに良い時期かな。
  • そういえば、町石道には水場がとうとう1ヵ所もなかった。野菜ジュース900g+水1.5Lは、多いかなと思ったが、7割方飲んだ。夏場だったら足りなかったかもしれない。
  • 僕の年賀状には毎年だいたい、この時期の山行・古道歩きで撮影した風景を使うのだが、今年はもういい絵が撮れちゃったかな。

*1:他ならぬ空海だけ日本中に逸話が多すぎて怖いとは思う。密教を極めるのがそんなに楽勝ハイパードールだったのか、その間に日本中神出鬼没、ユダヤ教キリスト教の奇跡クラスの、現世利益的なイベントをそこらじゅうで軽々引き起こしているのである。タイミングが合えば、モーセ空海をネ申とあがめていたかもしれない。