昨晩のファーストインプレではひとまず使ってみると”どうやら予想外に使えそう”というところまできた。
今晩は、もうちょい使いこなしてみよう。
基本操作と、SSB/CWモードでの主要機能。
- 上面パネルの「BAND」ボタン+メインダイアルでバンドとモードを設定できる。「BAND」ボタンの短押し・長押しでそれぞれバンド・モードの設定場面が現れ、“俊敏に”ダイヤルを操作して希望する設定へと変更可能。タイミングにちょっと癖があるが、慣れれば問題ないレベル。ちなみにSSBモードは「SSB」とだけ出てきて、バンドに従って標準のUSB/LSBが自動設定されるようだ。なので意図的に逆サイドバンドを聴いたりはできない。
- 周波数の可変は、メインのVFOダイヤルが微動・サブダイヤルのMULTIツマミが粗動(50-500kHz/クリック)。デフォルトのステップ設定(SSBで通常10Hzステップ/「FAST」ボタンで100Hzステップ)でVFOダイヤルを回すと、ちょうどいい可変の感触。SSBだとFASTのままでもいいけど、CWは常に5Hzか10Hzステップがいいんじゃないかな。
- フロントパネルの「F」ボタン短押し毎に「運用中にいじる機能」のメニューが切り替わり、サブダイヤルを回して選択し押すと設定変更・オンオフができる。メニューが整理されている(デフォルトではFUNCTION-1, FUNCTION-2, CWの3メニューが切り替わる)おかげで結構直感的に操作可能。*1
- バンドスコープ - この液晶のサイズと解像度の中ではかなりがんばっていると思う。しかしお世辞にも見やすくない。7MのSSBとか14や21が混み合っている場面で、バンドの混み具合を俯瞰するのには使えるはず。DSPの処理速度が速いおかげか、スキャンが瞬時に終わるのは○。オマケ機能だと思いねぇ。
- CW関連機能はエレキー・セミ/フルブレークイン・ピッチコントロール・オートゼロイン・メッセージメモリーなど、ひと通り装備されている。それぞれ動作良好。CWモードで「NARROW」をオンにすると帯域500Hzがデフォルトとなり、WIDTHでさらに狭帯域にも設定可能。
- SSB関連機能はというと、マイクゲイン・スピーチプロセッサ・TXイコライザ・送信音モニターなど、こちらもひと通り。送信帯域も可変可能。
受信機の付属回路の感触:ふつうにつかえる
- IF WIDTH - SSB/CWともに帯域を両側から等しく狭めていくタイプ(ケンウッドにおける“VBT”に相当)。とてもよく切れる。間違いなく本機の混信除去の要。帯域を広げることも可能。
- IF NOTCH - ビートがスパッと切れる。使える。
- IF SHIFT - 普通。
- APF -CW信号が特定周波数だけ浮き上がる。さすがはDSPによるオーディオピークフィルター。これも使える。
- NB(ノイズブランカー) - スパイク状ノイズにきっちり効く。値を5〜6ぐらいに設定しておいて、必要に応じてオンオフすればいい感触。
ほかにもDNRやらCONTOURやらいろいろ。さすがIF DSP。これだけの機能をこのサイズの無線機に詰め込めてしまうことに今更ながら感服。各機能はきっちり使える。FT-991など従来機でprovenな技術をそのまま実装したおかげなのだろう。
ABCボタンにはどの機能を設定すべきか?
フロントパネルの「A」「B」「C」ボタンには、デフォルトでは無難にSHIFT・SCOPE・NB機能がアサインされているが、これらはユーザーが任意に変更できる。
個人的には、混信に対してIF SHIFTで逃げるよりもIF WIDTHで帯域を狭める方がSSB/CWの運用には有用と僕は考える。僕は(免許がくるまでは)受信にしか使用しないので、3つのボタンにはとりあえず「WIDTH, APF, SCP(バンドスコープ)」を設定してみた。
もし特定のモードでしか使わないのであれば、以下の設定の方がいいかなと思っている。個人差はあるだろうけど。
- SSB - WIDTH, SCP+IF SHIFT or NOTCH or NBのどれか(シーンに合わせて)
- CW - WIDTH, APF, SPEED(エレキースピード)
不満な点・おしい点
二日間触って、基本性能としてかなり使えそうなことがわかってくる。
すると、ちょっと改良をしてくれるとうれしいなぁと感じる点も出てくる。
- WIDTHで変更した受信帯域が、バンド・モードを切り替えたり、電源を入れ直したりすると、デフォルト設定へと戻ってしまう。この動作、正直なところ不便。できればモード毎に自分好みの帯域設定が保存されていてほしいところ。891のデフォルトの帯域設定はSSB 2400Hz、CW(NARROW時)500Hzだが、僕はそれぞれ広め(2800Hz)・狭め(350Hz)が好みなのです。*2
- サブダイヤルによる周波数可変のステップが粗すぎるのが、おしい。クイックQSYを想定された機能なのだろうけど、最小ステップは50kHz。今時大半の局が500Hzか1kHz毎キッカリの周波数に出てくるわけで、1kHz(or 500Hz)のステップだとチューニングに便利。
- 小型機とはいえ、マイクゲインがフロントパネルのつまみでいじれないのは不満。SSBでQSO中、送信中にもっともいじりたくなるのはマイクゲイン、次いでRF OUTではなかろうか。「RF/SQLツマミ」なんてそんなに頻繁にいじらないのだから、送信時だけでも「マイクゲインVR」としても使えるようにしてくれりゃいいのに。
- QSO中にコンディションや運用シーンに応じて、出力をワンタッチで切り替えられるとうれしいな。5/10/20/50W位な感じで。
- 前掲のABCボタンがモード毎に設定できるとうれしい。モードに応じて一番使う機能が違うからね。
ファームのアップデートで何とかなりませんでしょうか?