駄目社員はむの日記

USO800 certified.

Simple and practical QRP antenna coupler project

「やすくおもろく」シリーズ第二弾:Yet Another QRP Coupler。
というわけで、先週からダラダラと作ってるのは、ベタながら「QRP用SWR計一体型アンテナチューナー」。やすくてちっさくて割と実用的なのを目指してみる。コードネームは”大通(Odori)”。
ねらいなど、概要を以下に。

  • 7〜21MHzをカバーするアンテナカップラーとして働き、短波放送受信用のカップラとしても使える。持ち歩ける程度に小型・堅牢で、ピコなどのQRPポータブルトランシーバーと組み合わせて使うことを想定。
  • 操作性と視認性を考慮すると、使用時はフロントパネルのみを見て、電力(進行/反射)を切り替えて確認しながらバリコンの調整が可能であるものとする。
  • SWR計(というより簡易パワー計)は内蔵させること。SWRプローブは抵抗で組むと簡単だが運用時にはスルーしなければならないのが煩雑である。ハッタリ上運用中は常時針が振れていて欲しいので-20dB CMカップラ型にする。
  • ケースは可能な限り小型かつ堅牢であること。IDEALのSB-2(奥澤で714円)がしっかりした小型ケースで気に入ってたのでこれの中に組んでみた*1
  • ロングワイヤー(LW)アンテナでの運用も想定し、Mコネ・陸軍端子両方の出力を出せること。とりあえず切り替え式にはしない。
  • ダミーロード内蔵。←場所がありません
  • 安価なポリバリコン(PVC)などを用いることで、値段は3千円以内に抑える。もっというと、手持ちのパーツを極力活用して、出費ゼロを目指す(^^;*2
  • アンテナチューナーはスルーできるようにする。←できてません

回路はこんなかんじ。もうベタですね。

外観は、まだケース塗装とかしてないけどこんなぐあいで

内部はこんなの。

カップラー部

僕の手持ちのトロイダルコアには、T68#2とT37#6があった。
T68-2ならローバンドのコイルを巻くにはちょうど良さそうだ。T型カップラーは7MHzは1.5uHぐらいだったと思ったので、エイヤーで1.5uHをT68-2 16Tとしてみる。
使途がローバンドだけでは寂しいので、ミッド〜ハイバンドでもチューンが取れるように、2個所からタップを引っ張り、トグルスイッチでアースに落として切り替えられるようにする。トグルスイッチはセンターストップ(このときインダクタンス最大)がついていること。*3


バリコンはツマミ付き@230円でデジットにある物を使用。今時ポリバリコンはツマミだけで80円とかしたりするので、安い。3端子には真ん中の端子を挟んで72pと230pがでているので、両端を短絡することで容量をパラる。

電力計部

大体みなさん、SWRの検出部は「トロイダル・コア活用百科」の-20dBカップラータイプ(CMカップラ)か、FCZ研究所のQRP SWR計の抵抗ブリッジタイプのどっちか。とりあえず、ありあわせの部品でCMカップラを作ってみた。

  • CM検出部に使うコアは、細かいことを言わなければフェライトコアであればそんなに透磁率を気にしなくても使えると思う。フェライトコアは以前ハムフェアの某ブースにてインターフィア対策用を”つかみ取り”でゲットしたものが残ってたので、これに10T巻いてその真ん中に1.5D2Vを通し、-20dBとした。
  • フェライトコアの真ん中に1.5D2Vを通すときに忘れちゃいけないのは、1.5D2Vの芯線は当然配線するとしても、網線(GND)は入力側のみ繋ぎ、出力側は開放しておくこと*4
  • 電力計周辺のGNDは、ケースアースに落とすこと。

あと、ついでに基板は完成してた某をケースに入れる準備。ドリルンルンする。

おまけ。

その後。
2012年に、機能満載の新QRPアンテナチューナーを作ってみました。
しかし、結局はこれを使っております。

*1:オーディオ用のアッテネーターとか組み込んだりしてました

*2:ただし、ポリバリコンを使用する都合上、許容は5W未満。

*3:もしハイバンド専用で作るならT37-6の巻き数を切り替えると良いと思う。21MHzだと0.5uHぐらいがちょうどいいはずなので、T37-6 13Tぐらいでよいだろう。

*4:僕はCMカップラを作ったのなんて5年以上ぶりだったのですっかりワスレテタヨorz